伊藤響子さんの歌集「時の弦 奏でる組曲」が完成しました。旧・養護学校の用務員だった著者が、障がいのある子どもたちとのふれあいを歌に託し、一冊にまとめました。関わった子どもたちは、肢体不自由児、知的障がい児、視覚障がい児と、本当にさまざま。
突然に子に降りかかった禍いの病気と闘う自己に向き合う
話そうよ気後れせずに勇気出して声を聞かせて思いしりたい
声かけは必ず相手の名前呼ぶ目線の代わりに声で知らせる
足音で聞き分け声を掛けて来る向き合っている聡き記憶に
どの歌にも著者の子どもたちへの愛情があふれ、彼らが少しずつ成長していく様子を見ることができます。障がい児教育が義務制だった前の時代に記された、一人の教員の記録として価値ある書といえるでしょう。
歌集 「時の弦 奏でる組曲」
伊藤響子・著
四六判232ページ、並製本(カラーイラストあり)
30部オンデマンド印刷