Kプランニングでは、「ひきこもりの詩人・中川迦士からのメッセージ」と題するYouTube動画チャンネルを開設しました。これは、昨年出版した『車いすで2人乗り』(詩・中川迦士/絵・太田利三)の英訳バージョンの制作費をクラファン(CAMPFIREを予定)で募るにあたり、宣伝用のイメージ動画を作ろうと取り組んでいるものです。『車いすで2人乗り』の本を人づてに偶然手にした早稲田大学文学部教授の野中涼先生が、中川くんの詩に感銘を受け、107編の詩に英訳を付けてくれたのが、今回のプロジェクトを始めたきっかけでした。
なんと言っても、野中先生が作ってくれたこの英文が、素晴らしいのですよ!(訳者が野中涼という高名な英文学者だから当然なんだろうけど…)単純すぎるが故にわかりにくさもある中川くんの世界が、英訳化されることによって、より理解しやすく私たちの心に響いてくるのです。先生から直々に英訳されたお手紙をもらい、中川くんは感激しました。そして「せっかくこんな高名な先生が英訳を作ってくれたのだから、どうしても英語とセットにした本を作りたい!」と訴えるようになったのです。そんな彼の想いを受け、私は考えました。どうしたら詩と英語をセットするという新たな価値を、沢山の人に訴えられるのだろう?
そこで中川くんと、ブレストを実施しました。英語教材ふうにするとか…いろんな案が出たなかで、有力だったのが百人一首みたいなカルタにするという企画。英語札と迦士君の文字札(太田さんのイラストつき)を別にして、どちらが読み札になってもいいようにするのです。「それ、面白いかも…」と、打ち合わせ段階では受けたアイデアだったけど、よくよく考えてみたら実現は難しい。文字が小さすぎるから取り札としての実用性はないし、カルタって意外に印刷コストはかかってしまうわけですよ。じゃあ、他に何かないのか?
いろいろ考えた上、私が出した結論が、制作するのは単純な印刷物(書籍)。そして、それを宣伝する手段として歌を作ることでした。歌にすれば、英語があることのメリットがより活きてきます。しかも「なんで英語?」という疑問を持たれず、誰もが自然に受け入れてもくれるでしょう。しかし、私には問題がありました。カラオケは大好きだけど(笑)、悲しいことに何の楽器も弾けないのです。誰か代わりに作曲してくれるヒトでも見つからないかなあ…と悩んでいたときに、「作曲をしてくれるAIアプリ」があることを知ったわけですよ!
昨今は、AIが大ブーム。メディアでも、AI関連の話題が毎日のように報道されていますよね。ちょうど今、私は各種研修会で「SNS活用法」等の講師依頼をいくつか受けているのですが、そこでも「AI アプリを使ったサンプル画像」等を紹介しています。「本当にカンタンに曲ができちゃうならば、それはSNSに使えるし面白い!」ということで、新しモノ好きな私は、さっそく音楽生成アプリを試してみることにしたわけです。
そして完成したのが、この作品であります(3作目の「いいんだよ」が、最高傑作)。その出来映えに関しては、聞いてもらうしかありません。正直言って、私も少しバカにしていた部分があったのですが、想像していた以上のクオリティに、驚いています。というより、ちょっと恐ろしさを感じるほど。ちゃんとした詩さえ提供できれば、私でも、こんなに素晴らしい曲が作れるんだ? なんだか秋元康にでもなった気分です(笑)。もちろん、中川くんの詩や、野本先生の英語が素晴らしいからこそ、AIもこれだけの歌を作れることは忘れてはいけません。でも、パラリンピックのイメージソングにしてもおかしくないほどの出来映えに成りましたので、とりあえずは視聴してみて下さい。(動画制作は、私が担当いたしました)
いかがでしょう? 「ひきこもりの詩人・中川迦士からのメッセージ」は、下記リンクで公開中のすべての曲を視聴できるようにしました。現在は、まだ全10曲ですが。後も続々と新作が生まれていく予定です。ぜひお楽しみに。チャンネル登録もよろしくお願いします。(下記リンクでは、公開中の全曲が自動的に流れていきます)