工賃向上に必要な4つのチカラ

Kプランニング

3月29日に全国社会就労センター協議会主催による「社会就労センターにおける工賃向上について学ぶ実践報告セミナー」が開催されました。同協議会による工賃向上検討特別委員会の委員に任命されていたこともあり、実践報告セミナーの冒頭では私(戸原)が「工賃向上のポイントについて〜SELP訪問ルポより〜」というお話しをさせていただいています。先日、ようやく参加者アンケートが集計されてきました。嬉しいことに全体的には大変好評のようでしたので、もう一度ここで内容を整理しておくことにします。

工賃向上に必要な4つのチカラ

【売るチカラ】
・福祉施設における営業力 ノルマは必要か?
・職員はすべて営業マン
・福祉施設における付加価値について。障害をウリにするのはありか?

【作るチカラ】 
・美味しい、リーズナブル、オリジナリティ
・大切なのは、商品ストーリー
・専門家による商品開発支援

【飾るチカラ】
・コストと良いデザインのバランス
・大切なのは、意味のあるデザイン 
・地域との連携(ご当地キャラ、障がい者アート、子どもの絵画)

 【広めるチカラ】
・マスメディアの使い方
・SNSを活用する
・利用者の声こそ、最大の広報ツール

アンケートを読んでいてとくに私が嬉しかったのは、「福祉事業において障がいをウリにするのはどうか?と思っていたが、障がいがあることと仕事に誇りをもって行うことは別の問題であると気づかされた」「とくに印象的だったのは、『利用者のチカラが最大のチカラ。自分の仕事にプライドをもって身近な人に知らせる』という言葉だった」…という反応をいただけたことであります。

もちろん「考え方はあまり賛同できないと感じた。共に働く利用者を自らの部下と考えている私とは相反する考え方である」なんていう反感が出てくるのは計算ずみ。時間があれば、こういう方とも徹底的に議論することができたらよかったね。「障がいをウリにすることの本当の意味について考えさせられた」などという意見が出てくるのは、私としては大成功だったと満足しています。

本当なら最低でも1時間。できれば2時間くらいかけてじっくりと話すべきところを30分に凝縮したわけですら、「説明が早すぎて、ついていけなかった」という声があるのも仕方ないですね。何人かの方から、別の機会を設けて講義をお願いしますとお声がけいただきました。セルプ協工賃向上検討特別委員会の委員となったことをきっかけとして、ぜひ今後はこういった講演活動にも積極的に取り組みたいと考えています。