茨城県常総市にある障がい者支援施設ピアしらとりから、「利用者の個性を活かした支援」というテーマで講義をおこなってきました。個性を活かす支援といってももちろんさまざまな手法があるとは思いますが、私が提案したいのはやはり障がい者アートの可能性について。このテーマは、30年も前からずっ取り組んでいるものであり、じつは私の専門分野。アートビリティ(旧称:障害者アートバンク)における実践や、『障害者アートバンクの可能性』『パソコンで絵を保存しよう』等の著書で記した考え方を、存分に語ることができた2時間でした。
①海外における障がい者芸術活動の歴史(所得支援)
②日本における障がい者芸術活動
③最近よく聞く、「アール・ブリュット」とは
④日本におけるアール・ブリュットの始まり
⑤海外で高く評価された日本のアール・ブリュット
⑥改めて、障がい者アートの意義について考える
⑦「楽しみとしての美術活動」は、意味がないのか?
⑧アート活動は障害者の日中活動に適している
⑨実践編:これらの作品が理解できますか?
⑩障がい者アートを考えるときに大切な視点
⑪先進的な活動を進める施設の事例
⑫ピアしらとりでは、何ができるか?
⑬絵を見極める能力と、それを活かす知識
⑭知っておきたい、さまざまな絵のタイプ
⑮障がい者アートを活用し、新たな活動を始めよう
等々、今回の講義は個人的にも本当にやりたかった内容であり、ようやく1つ目的が達成できたと満足しています。障がい者アートがアール・ブリュットとしてこれだけ評価され始めた現在、これからもアート活動を作業科目に加えたいと考える施設はどんどん増えてくるはずです。その時に、少しでも利用者たちの作品をお金に換え、そして地域と一体となった活動の柱としてアートを捉えられるような、実践的な活動プロデュースをおこなっていくのが、これからの私の課題です。いよいよ面白くなってきそうな予感です。